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大河ドラマで歴代の視聴率がワーストと言われている作品は?

大河ドラマで歴代の視聴率がワーストと言われている作品は?
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12月18日に最終回が放送され、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が終わりました。

あまりにも衝撃的だった泰時の死、そのクライマックスシーン。

しかし、そのわりに視聴率は14.8%、全48回の期間平均視聴率は12.7%で、前作の「青天を衝け」の14.1%を下回ったと報じられています。

では、大河ドラマで歴代の視聴率がワーストと言われている作品は、どの作品でしょうか?

大河ドラマは1963年から放送されており、「鎌倉殿の13人」で61作品。

NHKによる歴史ドラマシリーズで、日本史上実在した人物の生涯を描いた作品もを多いですが、オリジナルの架空の人物を通して時代を描き出した作品もあります。

1963年と2022年を単純に比較するのは難しいことですが、しかし視聴率は、やはり人気を計るバロメーターです。

大河ドラマで歴代の視聴率がワーストと言われている作品は、どの作品でしょうか?

 

 

大河ドラマで歴代の視聴率がワーストと言われている作品5選とは?

NHKの「大河ドラマ」は1963年に始まり、2022年で60年間続き作品は61作品にも及ぶ、人気ドラマです。

60年もフアンを魅了してきた大河ドラマの中ですが、あまり視聴率が良くなかった作品もあります。

それはどのような「大河ドラマ」でしょうか?

その中でも、ワーストと言われている作品5選を紹介します。

 

5位:「女城主直虎」

2017年、第56作「女城主直虎」、平均視聴率12.8%、最高視聴率16.9%(初回)

主演は柴咲コウ、女性という設定の井伊直虎役、原作、脚本は森下佳子。

「男女逆転の発想」といえば、柴咲コウさんは2010年に映画「大奥」で、8代将軍「徳川吉宗」を演じていました。

女性でありながら、とても凛々しい姿がお似合いです。

井伊直虎は女性だったという説もある、歴史上ではミステリアスな人物ですが、やはり一般的な知名度はとても低かったとおもいます。

また、脚本家の森下佳子さんは、数々の名作と呼ばれるヒットしたドラマ、「仁」「とんび」「白夜行」「世界の中心で、愛を叫ぶ」などを手掛けています。

しかし」、戦国時代の話なのに合戦のシーンが少なかった…とか、戦国時代とは違う視点でドラマが進行していく…。

一般的な戦国時代と想定している、大河ドラマフアンの心を掴み切れなかったのかもしれません。

 

4位:「西郷どん」

2018年、第57作「西郷どん」、平均視聴率は12.7%、最高視聴率は15.5%。

主演は鈴木亮平、西郷隆盛役、原作は林真理子、脚本は中園ミホ。

明治維新の立役者である西郷隆盛を、「女性の視点」で勇気と実行力で時代を切り開いた「愛に溢れたリーダー」として描いた作品です。

鈴木亮平さんと言えば、身長は186㎝ですが、役作りのために体重を50㎏台にしたり、80㎏台にしたり…と徹底していらっしゃる方のようです。

西郷どんの時は、早稲田大学の相撲部で一緒に稽古をして90㎏台ではないかと言われるほど、たいへん努力をされています。

また林真理子さんは、コピーライターから人気作家になられた人気も実力もある作家です。

「ラブストーリーは突然に」「不機嫌な果実」「anego『アネゴ』などドラマ化された本もたくさん書いています。

そして脚本の中園ミホさんは、林真理子さんの原作の脚本を手掛けてドラマ化している脚本家なのです。

それなのに、どうしてこの視聴率なのでしょうか?

西郷隆盛は歴史の教科書でも何度も学習し、誰もが知っている人物なので、そのイメージとかけ離れるとドラマからも離れていってしまうのかもしれません。

 

3位:「平清盛」

2012年、第51作「平清盛」、平均視聴率は12.0%、最高視聴率は17.8%

主演は松山ケンイチ、平清盛役、脚本は藤本有紀。

平清盛を主人公にした大河ドラマは、1972年第10作目の「新・平家物語」以来40年ぶり。

「平清盛」を従来のイメージではなく、新しい時代を切り開いた挑戦者として描いた作品なのです。

脚本の藤本有紀さんはコメディの台本、舞台の脚本作りを経てテレビドラマの脚本を手掛けるようになりました。

2007年のNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」の脚本も担当しています。

平清盛は知名度もあり、合戦のシーンもあり、大河ドラマフアンの期待にそった作品と思うのですが…。

ドラマを見ていて、画面にスモークがかかっているのかな、とか画面がなんとなく暗いような、と感がじた人も多いのではないでしょうか?

時代背景などを考慮してリアルに作りすぎて、画面が暗い、画面が汚いように見えたとの声も多かったようです。

大河ドラマは、やはり華やかなところがあった方が良いのでしょう。

 

2位:「花燃ゆ」

2015年、第54作「花燃ゆ」、平均視聴率は11.97%、最高視聴率は16.7%(第1回目)

主演は井上真央、吉田松陰の妹、杉文役。

脚本は大島美里、宮村優子、金子ありさ、小松江里子と4人以上の脚本家が各話を書き分けるという、大河ドラマでは異例となるチーム体制による脚本執筆。

キャッチコピーは「幕末版男はつらいよ」「イケメン大河」「セクシー大河」「幕末男子の育て方」。

井上真央は、民放ドラマ「花より男子」で、身分違いでもイケメンでも堂々と渡り合い、わがままな大金持ちの御曹司と結婚するという、現代版シンデレラストーリーの役が、とても似合っていました。

イケメン…セクシー…男子の育て方…など民放ドラマでは特定の世代のフアンの心は掴めても、大河ドラマのような幅広い年齢層のフアンの心は掴み切れなかったのでしょう。

 

1位:「いだてん~東京オリムピック噺」

2019年、第58作「いだてん~東京オリムピック噺」、平均視聴率は8.2%、最高視聴率は15.5%。

主役は中村勘九郎、金栗四三役、そして阿部サダヲ、田畑政治役、脚本は宮藤官九郎。

2013年9月8日に国際オリンピック委員会の総会で2020年夏季大会の開催地が東京に選定されてから、日本中のオリンピックへの機運が高まっている時でした。

満を持して始まった大河ドラマが「いだてん」なのです。

日本初参加となった1912年のストックホルムオリンピックから、1964年の東京オリンピックに至る52年間。

マラソン選手として日本人初出場を果たしながらも、不本意に終わった金栗四三と東京にオリンピックを招致するために尽力した田畑政治。

二人の日本人の苦労と奮闘の話です。

「いだてん」とは韋駄天…仏法の守護神の一つで足の速い神、そのことから足の速い人、よく走るということ…とあります。

ドラマも初回は昭和34年から始まり、明治になったり、昭和になったり、「いだてん」のスピードのようにドラマが進行しました。

実話を基にした大河ドラマですが、ほとんどの人が二人の立派な功績を知らなかったと思います。

二人の選手の出場から日本のオリンピックは始まったこと。

オリンピックに戦争が大きな影を落としていたことや、女性のオリンピック出場に至る大きな世間の壁。

この大河ドラマからオリンピックについて多くのことを、私たちは学びました。

しかし、スポーツドラマでありながら、落語のドラマのようでもあり、構成もとても凝っているのですが、話に集中しにくいところもありました。

それに、努力、苦労が報われず、観ている方がつらくなってしまったのかもしれません。

 

逆に大河ドラマで歴代の視聴率が高い作品3選とは?

大河ドラマで歴代の視聴率が高いランキングTOP3は、1987年から1989年にかけての3作品です。

なぜ、この3年間に集中しているのでしょうか?

大河ドラマは1984年から近代路線シリーズとして「山河燃ゆ」「春の波涛」「いのち」を放送しました。

時代劇を望む視聴者のためには、「NHK新大型時代劇」の枠が水曜夜に設けられていました。

その「NHK新大型時代劇」がたいへん好評だったので、4年ぶりに時代劇の大河ドラマが復活したのです。

 

第1位:「独眼竜政宗」

1987年、第25作「独眼竜政宗」、平均視聴率は39.7%、最高視聴率は47.8%(最終話)

主演は渡辺謙、伊達政宗役、原作は山岡荘八、脚本はジェームス三木。

原作は山岡荘八の小説「伊達政宗」。

梵天丸(伊達政宗の幼名)の「梵天丸もかくありたい」の言葉が、その年の流行語にもなり、ドラマの人気に拍車をかけました。

のちに「世界の渡辺」となる渡辺謙さんは、この大河ドラマで一躍国民的な俳優の仲間入りを果たしたのです。

 

第2位:「武田信玄」

1988年、第26作「武田信玄」、平均視聴率39.2%、最高視聴率は49.2%(第6話)。

主演は中井貴一、武田信玄役、原作は新田次郎、脚本は田向正健。

武田信玄は戦国武将の中でも、もともと人気のある武将ですが、新田次郎の書いた原作がとても良かったこと。

信玄の母を演じた若尾文子さんの毎回ドラマを締めくくるナレーションが、流行語大賞に選ばれるほど人気がありました。

主演の中井貴一さんや主要キャストの顔ぶれも多彩で、信玄を愛した女性たちもとても魅力的だったのです。

 

第3位:「春日局」

1989年、第27作「春日局」、平均視聴率32.4%、最高視聴率は39.2%(第4話)。

主演は大原麗子、春日局(おふく)役、原作・脚本は橋田壽賀子。

橋田寿賀子さんは、NHKの連続テレビ小説「おしん」や、TBS系で1990年から2019年まで長年ににわたって放送された「渡る世間は鬼ばかり」などの原作、脚本を担当しています。

やはり素晴らしい脚本家なのです。

 

2023年、2024年で視聴率が伸びそうな大河ドラマは?

衝撃的なクライマックスシーンで終わった「鎌倉殿の13人」でした。

2022年の紅白で「大河ドラマ」のバトンタッチの場面がありました。

主演の小栗旬さんから松本潤さんへ…それはまるでかつての「花より男子」のワンシーンのように感じられた方もいらっしゃったのではないのでしょうか?

2023年の大河ドラマも楽しみですね。

その次の2024年の大河ドラマは?

 

2023年大河ドラマ「どうする家康」

2023年の第62作目の大河ドラマは、松本潤さん主演、古川良太さん脚本の「どうする家康」です。

原作や元ネタのないオリジナル脚本と言われています。

実は大河ドラマで家康が出演すした作品は、1983年の大河ドラマ「徳川家康」に始まり、今までに9本。

それほど「徳川家康」という人物が波瀾万丈の人生を送り、戦国時代を生き延び250年以上も続いた江戸幕府を開いた、強運の持ち主だったからでしょう。

ホトトギスの歌でも有名ですが、徳川家康は時節に逆らわず好機がくるまでひたすら待つ、忍耐の人だったと言われています。

人質から皆を味方につけ、好機を辛抱強くうかがい、やがて天下を取る…今の時代にも見習うところが多くあるのです。

 

2024年大河ドラマ「光る君へ」

「光る君へ」は平安時代に書かれ、1000年以上もベストセラーとなっている「源氏物語」。

その作者である「紫式部」と、平安時代の貴族社会で最高の権力者となった「藤原道長」の話です。

脚本は大石静さん。

大河ドラマ「功名が辻」、「ふたりっ子」「セカンドバージン」「家を売る女」など、数々のヒットドラマを描いています。

1000年を超える「大河ドラマ」になるのか…とても楽しみです。

 

「大河ドラマ」で歴代の視聴率がワーストと言われている作品は?:まとめ

「大河ドラマ」で歴代の視聴率がワーストと言われている作品から分かったことは

  1. 歴史上の人物でも、その人を、その功績を知らないこと
  2. ドラマので設定、構成に無理があること
  3. 最後には苦労、努力が報われること。

1月8日から大河ドラマ「どうする家康」が始まります。

どんな苦労の連続でも、最後には征夷大将軍になり江戸幕府を開く、と分かっているから安心して観られるような気がします。

「大河ドラマ」で歴代の視聴率がワーストと言われている作品…とならないように、観てよかったと思えるような作品を期待しています。

明るい未来を思えるような、幸せを感じられるような、翌日の活力となるような作品を!!