今年の梅雨入りは平年より少し遅れているようです。
梅雨入りすると、強い日射しと高温多湿の蒸し暑い夏を迎えます。
夏の平均気温は30℃~35℃、湿度は60%~70%。
東京では湿度が75%を超えて、蒸し暑い不快日となる日が、年間30日近くもあるのです。
これから迎える夏に備えて、少しでも涼しく過ごせる服の素材には、どんなものがあるのでしょうか?
温暖化の影響で、気温は念々上昇しています。
ガス代、電気代などの光熱費も値上がりです。
だからこそ、ちょっと工夫して夏でも涼しく過ごせる服の素材を上手に着こなしましょう。
夏でも涼しく過ごせる服の素材を5選紹介します。
1. 服の素材は大きく分けると2種類!
服の生地として使われる素材は、大きく分けると2種類です。
それは、①「天然繊維」と②「化学繊維」
①天然繊維とは植物から採取される「植物繊維」と、動物から採取される「動物繊維」のことです。
②化学繊維とは石油を主原料として人工的に合成された繊維のことで、人造繊維とも呼ばれています。
天然繊維とは?
天然繊維は綿(コットン)、羊毛(ウール)、麻、絹(シルク)などがあります。
天然繊維は自然由来のため、風合いや質感、肌触りが良いと言われています。
化学繊維とは?
化学繊維とは、石油などから化学的プロセスにより製造される繊維の総称で人造繊維とも呼ばれています。
原料が石油なので、吸湿性が少なく静電気が発生しやすい繊維です。
大量に生産することができるので、天然繊維に比べて比較的低価格で購入することができます。
化学繊維には、再生繊維(アセテート、レーヨン、キュプラ)、合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アクリル)などがあります。
再生繊維とは、木材やパルプなどの天然のセルロース(天然の高分子化合物の一種)を化学的な処理によって溶解したものを原料として繊維にしたものです。
ですから、天然由来の化学繊維ということです。
化学繊維は一般的に、天然繊維よりも、耐久性や強度が強く長持ちすると言われています。
2. 夏に涼しさを感じる服の素材とは?おすすめ5選!
やはり、夏といえば汗。
人の皮膚は汗をかいていないときでも、皮膚から水分が蒸発しています。
ですから、夏は汗を上手に蒸発してくれくれる通気性。
そして、汗を吸収してくれる吸湿性が大切です。
通気性、吸湿性に優れた素材を紹介します
「テキスタイルネット」「ユニコレ飲食店ユニフォーム」を参考にすると、通気性・吸湿性に優れた素材は以下の5選となります。
①綿(コットン)
綿の繊維が空洞になっていて、風が通りやすいので通気性が高い。
通気性に加え、吸水性、吸湿性にも優れている。
重ね着することで保湿性が高まるので、冬の服にも使えるオールシーズン活躍する素材です。
天然素材なので縮みやすくシワになりやすい。
速乾性にはすぐれていないので、乾きにくく雑菌の繫殖もしやすくイヤなにおいが付くこともある。
②麻(リネン)
麻は繊維の断面に凹凸があり、中に穴が空いたような形になっていて、空気を取り入れられる構造になっています。
そのため速乾性にも優れています。
熱伝導性にも優れているので、接触冷感のような効果も期待できます。
しかし、天然繊維なのでシワが付きやすく、脱水しすぎるとシワシワとなってしまうことがあります。
洗濯時に縮んだり色移りしたりするおそれがあるため、洗濯機で洗う場合は、洗濯ネットに入れた方が良いようです。
手洗いの方が安全という、お手入れが少し大変なところがあります。
③ポリエステル
ポリエステルは繊維自体の通気性は高くないのですが、生地の織り方によって、通気性を良くすることができます。
水分を素早く蒸発させる速乾性にも優れています。
ドライ生地はポリエステル素材を使ったものが多いです。
質感がサラサラしていて軽く、運動時に快適な特徴がの備わっているのです。
また型くずれしにくく、合成繊維のため水に濡れても縮みにくく、しわのもなりにくいのでお手入れしやすい。
速乾性が高く水分を吸収しても、すぐに乾くのでサラサラした着心地が続き、夏でも快適に着用できます。
④リヨセル
リヨセルはユーカリを原料とした再生繊維です。
シルクに似た光沢感があります。
体を動かしている間や寝ている間の汗や湿気を吸収してくれる、速乾性と吸湿性に優れています。
光沢があるので、暑さ対策をしながらもワンランク上のおしゃれも楽しめます。
しかし、シワになりやすので、お手入れが少し大変です。
⑤レーヨン
レーヨンは、パルプや綿などの天然繊維を原料とした再生繊維です。
高級品であったシルクの代用品として開発されたので、シルクのようななめらか肌触りが特徴です。
シルクのような光沢感も特徴で染色性にもすぐれているので、美しい色の生地が豊富あるのです。
通気性、吸湿性にもすぐれているので、汗をかいてもベタつきません。
また消臭効果も高く、汗をかいても汗の匂いの成分を中和してくれるので、イヤな匂いを抑えてくれます。
3. 夏に涼しく感じる服のポイントは?
夏に涼しく感じる服のポイントは、服の素材だけではありません。
涼しいと感じる服の色や、形にもポイントがあるのです。
夏に涼しく感じる服の色は?
「All About」の調査によれば、野外の炎天下に「黒」「紫」「深緑」「緑」「青」「赤」
「黄」「白」「グレー」の9色のポロシャツを置いた時、「黒」「緑」は45℃を超えたということです。
一方、「白」のポロシャツは温度の変化が気温と変わらなかったそうです。
また別の実験では、20分後の測定では「赤」の帽子の温度が低く、30分後では「ピンク」が一番低かったという結果も。
これは、短時間のお出かけなら「白」の服、長時間炎天下にいるなら「赤」「ピンク」の方が良い。
「青」「緑」はさわやかそうでも実際は暑く感じられるということでしょう。
夏涼しく感じられる服のデザインのポイントは?
夏に涼しく感じる服の素材のポイントの1つは、通気性です。
デザインでも、通気性の良い…風通りを良くしておくことが重要なポイントです。
風通りが良い服は、しめつけ感も少なく汗をかいても、快適に過ごせるのです。
首回り、袖口、裾などに風がぬけるような、通り道ができると体熱を放出しやすくなります。
夏は、少しゆったりとした服の方が涼しく感じられるのです。
4. 夏でも涼しい服の素材は?おすすめの素材5選!:まとめ
夏でも涼しい服の素材は、綿、麻、ポリエステル、リヨセル、レーヨンですが、それぞれデメリットもあるので、「ドライタッチ素材」が開発されました。
今では当たり前のように聞く「ドライタッチ素材」とは、吸湿速乾性のあることです。
それは、通気性が高いということで、繊維と繊維の間が大きく空いているメッシュのような素材になっています。
素材によって、シルクであれば「シルクドライタッチ」、レーヨンであればレーヨンドライタッチ」。
一番多いのがポリエステルのドライタッチ素材です。
ポリエステルはもともとが化学繊維のため吸湿性が悪いのです。
汗がたまりやすい首回りや、わきの下、お腹回り、肘の内側などにかゆみを感じるなど、肌に合わないと感じる人もいるようです。
ですから、綿とポリエステル、綿とレーヨン、ポリエステルとレーヨンなど天然繊維と合成繊維が混紡された生地の素材を上手に取り入れてみて下さい。
気温も光熱費も上昇していますが、夏でも涼しい服の素材で快適に過ごしましょう。