米倉涼子さんがドラマに帰ってきました。
ドラマ「エンジェルフライト」です。
米倉涼子さんと言えば、「私、失敗しないので」の「ドクターX~外科医・大門未知子」。
あのタフで、クールでプロフェッショナルな女性のイメージが焼き付いている方も、たくさんいるのではないでしょうか?
しかし、「ドクターX…」シーズン7が放送されたのは2021年。
あれから3年、満を持して米倉涼子さんが選んだのは、NHKドラマ「エンジェルフライト」です。
「ドクターX…」のイメージが強すぎて、それ以上の当たり役があるのか…と思いきや、さらにタフでクールでプロフェッショナルになって、帰ってきました。
どんな困難にも屈せず完璧に仕事を遂行する…その上、人間的な深みを増して。
みんなの期待をはるかに超えて、更なる魅力をバージョンアップしてその存在感を見せつけてくれました。
今度のドラマ「エンジェルフライト」では、どんな役なのでしょうか?
米倉涼子のドラマ「エンジェルフライト」の役柄は?
「エンジェルフライト」で米倉涼子さんが演じているのは、「国際霊柩送還士」という職業で、会社「エンジェルハース」の社長です。
ドラマ「エンジェルフライト」の第1回の中では、マニラのスラム街でギャングの抗争に巻き込まれて日本人がなくなりました。
そして亡くなった日本人の遺体が盗まれてしまいます。
そのため、米倉涼子さん演じる伊沢那美は部下と一緒にマニラに飛び、遺体を探すことになりました。
現地大使館の領事の制止されてもかまわず、伊沢那美達は危険なスラム街に乗り込みます。
やっと遺体を探し出し、盗難された理由を知ります。
そして、今度は「返して欲しい」と土下座をすることに。
お客様の依頼で海外へ行き、自分の生命の危険を冒してまでも現場に赴き、あげくの果てに土下座したり…
「国際霊柩送還士」とは一体どのような仕事なのでしょうか?
1.米倉涼子のドラマ「エンジェルフライト」の国際霊柩送還士とはどんな仕事?
「国際霊柩送還士」とは、職業の分類から見ると、葬儀関係の仕事に入ります。
では、具体的にはどのような仕事なのでしょうか?
仕事内容
特定非営利活動法人 育て上げネットの「職業理解を深めようシリーズ」によれば、国際霊柩送還士とは、「国際海外で亡くなった日本人や、日本国内で亡くなった外国人のご遺体をご遺族の元に送り還す仕事ということです。
ご遺体の引き取り、ご遺体の修復や処置・メークアップ、ご遺族へのご遺体の引渡し、安置場所への送還などが具体的な業務内容となっています。
ご遺体を引き取り、ご遺体を遺族のもとへ送り届けるまでには、さまざまな手続きがあります。
- 現地での遺体安置
- 遺体の検死・死体解剖
- 遺体の搬送
- 遺族への説明
- 葬儀の手配
などがあり、その手続きも行います。
その国によって、法律や規制、文化的な習慣なども違うので、簡単にことは進まないのです。
死は誰にとっても避けられないことです。
現代のようなグローバルな社会では、自国で死ぬとも限りません。
死の背景にも、病気、自殺、事件、事故…さまざまな事情があります。
どんなに避けられない死と分かっていても、やはり大切な人を失うということは、どのような事情があっても、とてもつらいことです。
そのつらい悲しみの中にある遺族の心に寄り添い、故人の最後の願いをかなえるために…。
そしてまた、遺族に最期の別れの機会を与えるために、国際霊柩送還士は尽力するのです。
必要なスキルや応募資格
では、こんなに難易度が高い「国際霊柩送還士」になるために、必要なスキルや応募資格は、どのようなものがあるのでしょうか?
調べてみると、必要なスキルは基本的なPCスキル(Word・ Excel)と運転免許くらいで、特殊な資格はありません。
ただ、外国語のスキルやエンバーマーの資格などを持っていると優遇されることもあるようです。
エンバーマーの資格と聞いて、タレントの「壇蜜」さんを思い出された方もいると思います。
エンバーマーとは、「エンバーミングを行う人」のことです。
エンバーミングとは、日本語では「遺体衛生保全」と呼ばれ、ご遺体の修復や保全、長期保存するための技術です。
エンバーミングの年間実施件数も、1988年には191件でしたが2018年には48,466件と、30年で約260倍に増加しています。
国際霊柩送還士の年収は?
葬儀のおしごとマガジンによれば、国際霊柩送還士の年収は、勤務地、経験、資格、そして提供するサービスの範囲に大きく左右されるそうです。
一般的に、葬儀関係の専門家の年収は、国によって大きく異なるそうです。
米国での平均年収は約50,000ドルから70,000ドルと報告されています。
しかし、国際霊柩送還士の年収は一般的な葬儀屋と比較して、高めの水準に設定されていることが多いそうです。
経験が豊富で、特に難易度が高い送還を扱うことができる専門家はさらに高い報酬を得ることができます。
それは、国際霊柩送還士のの取り組む業務の複雑性、必要とされる高度な専門知識、そして職務に伴う精神的負担の大きさに起因しています。
国によって異なる法律、文化、宗教的習慣を理解し適応することが、国際霊柩送還士には求められるからです。
特に言語スキルや国際法の知識が豊富な場合には、年収は100,000ドルを超えることも珍しくないということです。
国際霊柩送還士になる方法は?
国際霊柩送還士になるためには、まず葬儀業界で実務経験を積むことが重要です。
この経験を通して、葬儀の基本的な流れや、遺族とのコミュニケーション方法など、葬儀業界の基礎知識を身につけます。
葬儀業界の基礎知識に加え、国際業務なので国際法や異文化コミュニケーション能力など、必要に応じて覚えていく知識もあります。
応募するときに求められるスキルや資格より、実務を通して必要なスキルや知識、そして経験をから身につけていくことが多い仕事と言えるでしょう。
だからこそ、「国際霊柩送還士」になるためには、「覚悟」が3つ必要だと思います。
2.国際霊柩送還士になるための覚悟とは!
一般的な葬儀業界の仕事とは、大きく異なる違いがあります。
それは、次の3点だと思います。
- 体力が必要とされるということ。
- 国によって、法律、文化的な違いがあるということ。
- 海外情勢によって、危険が生じるということ。
体力が必要な仕事とは?
遺体が、山岳地帯や人里離れた場所にあった場合、運搬する物理的な力と体力が必要とされます。
長距離にわたる輸送や、険しい地形を超える輸送など、体力を必要とします。
山岳地帯や人里離れた場所からの運搬では、特別な搬送方法や装備も必要となりますし、それに伴う技術も必要です。
しかし、何よりもいろいろな状況に対応し、困難を乗り越える体力は必須です。
国によって法律や文化的、宗教的な違いが難しい!
国によって、法律も歴史的な文化の背景も宗教的な習慣も異なります。
国際的な法律や規制を遵守しながらも、いろいろな手続きは迅速に行わなければなりません。
その国の当局、関係者ともコミュニケーションを取りながら、故人を尊重し遺族の希望に沿ったサービスを提供する…。
これは、たいへんストレスの多い仕事だと思います。
その国の法律や歴史的な文化、宗教の背景を知識として理解することも大切ですが、そこに関わる人たちの深い悲しみや本当の感情を理解する…共感力も洞察力も求められます。
そして、さまざまな立場の人との間に立ち、お互いの立場を尊重しながらも慎重に進めていくためには、自分自身の感情や行動を冷静に保つ管理能力も必須です。
海外情勢によっては危険が生じる!
ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、2022年2月24日に始まり、今も続いています。
政治的、社会的な不安定な地域での仕事は、やはり危険が生じます。
地震、洪水、台風などの自然災害もあります。
どんな緊急時においても対応できる柔軟性と、判断力、スキルは必須です。
米倉涼子のドラマ「エンジェルフライト」の「国際霊柩送還士って何?:まとめ
米倉涼子のドラマ「エンジェルフライト」の「国際霊柩送還士」とは、国境を越えて、故人を遺族の元に送り届けるスペシャリストのことです。
コロナウイルス感染症が流行する前の2019年には、日本人の出国人数は2,000万人、訪日外国人旅行者数は3,000万人を超えていました。
もはや、自国で死ぬことが、当たり前だった時代は終わったのかもしれません。
異国で死んだら、どうなるのか…どうやって故郷に戻るのだろうか…
ドラマでの問いかけは、誰にでも起こりえる問題になっているのです。
羽田空港の一角にドラマのモデルとなった会社があります。
「エアーハースインターナショナル」という会社で、やはり女性の社長です。
人助けをしたい、亡くなった方のために手をかけてあげたい…との思いで突っ走ってきたという、素敵な女性です。
せめて、最後にたった一言「さよなら」を言うために。
残された人達が、ちゃんと最期のお別れができるように。
そのために、国際霊柩送還士は時には自分の身を危険にさらしてまでも、故人を遺族の元に届けようと尽力してくれているのです。
米倉涼子のドラマ「エンジェルフライト」の「国際霊柩送還士」は、高度な知識、スキルを持ち、国境を越えて故人を遺族の元に届けるスペシャリストです。
そして、故人の死の尊厳を守り、遺族の心の平和を取り戻す…とても感謝される仕事です。